大学院卒の初任給データ2026|学部卒・修士・博士を厚労省統計で比較
大学院修士課程修了者の初任給は28万7400円(令和6年・厚生労働省調査)で、大学卒より約3万9000円高い。大学院卒 初任給の実態を、学部卒・修士卒・博士卒の別に、公的統計と民間調査の両方から整理する。
要点:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、大学院修士課程修了者の初任給は28万7400円、大学卒は24万8300円で、その差は約3万9000円。令和7年の速報値では大学卒(全規模計)が26万2300円まで上昇した。博士課程修了者については学歴区分としての公的統計が存在せず、多くの企業が修士卒と同一の賃金体系を適用している。

学歴別の初任給はいくらか
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」は、毎年3月に卒業した新規学卒者を対象に学歴別の初任給を公表している。令和6年(2024年)調査(企業規模計)の結果は次の通り。
| 学歴 | 初任給 | 出典・年 |
|---|---|---|
| 大学院修士課程修了 | 28万7400円 | 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査 |
| 大学卒 | 24万8300円 | 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査 |
| 高専・短大卒 | 約21万〜22万円台 | 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査 |
| 高校卒 | 約19万〜20万円台 | 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査 |
大学院卒と大学卒の差は約3万9000円、大学卒と高校卒の差は約5万円と、学歴が上がるほど初任給も段階的に上昇する構造が続いている。令和7年(2025年)の速報値では、大学卒(全規模計)が26万2300円(前年比5.6%増)、高校卒が20万7300円(同5.0%増)となり、いずれも過去最高水準を更新した。大学院修士課程修了者の令和7年確定値は本稿執筆時点で未公表だが、大学卒の上昇率を踏まえると27万円台後半〜28万円台に達する可能性がある。
博士課程修了者の初任給はどうなっているか
厚生労働省の賃金構造基本統計調査は、学歴区分として「大学院」を修士課程修了者中心に集計しており、博士課程修了者を独立した区分では公表していない。そのため博士 初任給の全国平均を示す公的統計は存在しない。
経団連が2024年2月に公表した調査(回答約100社)では、博士に固有の賃金体系を設けている企業は1割程度にとどまり、8割以上の企業が学部・修士・博士で共通の賃金体系を採用している。博士の初任給は、約半数の企業で修士卒入社4年目の社員と同水準に設定されているという。一方で、DMG森精機が2023年に博士課程修了者の初任給を36万円台から47万円に引き上げた例や、三菱UFJ信託銀行が2027年4月入社から博士課程修了者に大卒6年目相当(38万円)の初任給を新設する例など、専門人材確保を目的に博士を厚遇する企業も増えている。全体傾向としては、博士の初任給は依然として企業ごとの制度差が大きい段階にあると言える。
文系と理系で初任給差はあるか
厚労省の公式統計は文系・理系を区分していないが、民間の就職調査では理系院卒(特に情報系・工学系)を対象に「院卒一律加算」として月2万〜4万円を上乗せする企業が多いと報告されている。文系院卒も学部卒より初任給は高くなる傾向にあるが、専門性を即戦力として評価されやすい理系ほど差が開きやすいというのが業界調査に共通する見立てである。ただし加算額は企業ごとの制度によって差が大きく、一律の相場と呼べる段階には至っていない。
企業規模で初任給はどう変わるか
学歴だけでなく、就職先の企業規模も初任給を左右する要因である。厚労省の令和7年速報によると、大学卒の初任給は従業員1000人以上の企業で27万3400円、10〜99人の企業で24万2400円となり、その差は3万1000円に達する。大学院卒についても同様に大企業ほど初任給が高くなる傾向があるとみられるが、規模別の内訳は今後公表される確報値の確認が必要である。
民間調査との数値差はなぜ生じるか
大学院卒の初任給を調べると、厚労省の統計以外に産労総合研究所や労務行政研究所といった民間シンクタンクの調査結果も目にする。たとえば労務行政研究所の2025年度調査では大学院卒(修士)の初任給を27万3327円、産労総合研究所の中間集計では25万9632円としており、厚労省の確報値(28万7400円、令和6年)とは差がある。これは調査対象企業の規模・業種構成、回答企業数、集計時点(中間集計か確報か)が異なるためで、いずれも実在する調査だが単純比較はできない点に注意したい。全国の代表性という点では、厚労省の賃金構造基本統計調査が最も参照されることが多い。研究活動そのものの公開性という観点では、論文のオープンアクセス比率データも関連指標として参考になる。

論文執筆そのものについては、TesifyのようなツールでAIの支援を受けながら進める大学院生も増えている。
大学院進学を検討する際は、初任給だけでなく大学院進学率の学部別データや、進学後の学費負担を示す大学の学費推移データも合わせて確認しておくと、進学の費用対効果を判断しやすい。博士課程まで進んだ場合の進路については博士課程修了者の就職・進路データで、アカデミアと民間の内訳を確認できる。
よくある質問
Q. 大学院卒の初任給は大学卒よりいくら高いですか?
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、大学院修士課程修了者の初任給は28万7400円、大学卒は24万8300円で、差は約3万9000円である。
Q. 博士課程修了者の初任給の全国平均はありますか?
厚労省の統計は博士課程修了者を独立区分で公表しておらず、全国平均は存在しない。経団連の2024年調査では、多くの企業が修士卒と共通の賃金体系を博士にも適用していると報告されている。
Q. 理系院卒は文系院卒より初任給が高いですか?
厚労省の公式統計に文理の区分はないが、民間の就職調査では理系院卒に対して月2万〜4万円程度の加算を設ける企業が多いと報告されており、理系の方が差が開きやすい傾向があるとされる。
Q. 企業規模によって初任給はどのくらい変わりますか?
厚労省の令和7年速報値では、大学卒の初任給は従業員1000人以上の企業で27万3400円、10〜99人の企業で24万2400円と、3万1000円の差がある。
Q. なぜ調査機関によって大学院卒の初任給の数字が違うのですか?
厚労省の統計は全国の事業所を対象とした公的統計である一方、産労総合研究所や労務行政研究所の調査は任意回答による民間調査で、対象企業の規模・業種構成や集計時点が異なるため数値差が生じる。
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