技術士第二次試験「業務内容の詳細」720字の書き方2026|口頭試験まで効く6ステップ

業務内容の詳細は、技術士第二次試験の受験申込書に添える実務経験証明書のなかで、720字以内・図表不可で書く記述欄です。単なる申込書類ではありません。筆記試験に合格したあとの口頭試験で、試験委員が手元に置いて質問する資料になります。4月に書いた720字が、12月以降の口頭試験まで効き続けます。

春の申込から夏の筆記試験、冬の口頭試験まで同じ書類が使われることを示す年間の流れ
提出は春、使われるのは冬。書いた本人が忘れた頃に問われる

そもそも何を書く欄なのか?

日本技術士会の受験申込み案内は、業務経歴の「詳細」欄に○を付けた業務について、「目的」「立場と役割」「技術的内容及び課題」「技術的成果」などを、申込書に記入した「専門とする事項」を踏まえて、720字以内で簡潔にわかりやすく整理して記入するよう求めています。

形式面の制約は次のとおりです。

項目 要件
字数 720字以内
図表 不可
半角文字 半角も1字として数える
記入 必ず記入すること
対象業務 「詳細」欄に○を付した1件

⚠️ 「半角文字も1字とする」は実務で効きます。「CO2」「ICT」「3D」といった半角表記で字数を稼ぐ発想は通用しません。720字は全角換算で720字ぶんの情報量しか入らないと考えてください。

また、期間中に業務が複数にわたる場合は、そのなかから1つの業務を選んで記入します。複数案件を並べて「幅広く経験しました」と示す欄ではありません。

そもそも受験資格を満たしているのか?

書き始める前に、自分がどの経路で申し込むかを確定させてください。経路によって実務経験証明書の様式そのものが違います。受験資格は、①技術士補となる資格(第一次試験合格または指定された教育課程の修了)と、②次の3経路のいずれかの業務経歴、の両方です。

経路 内容 【A】総合技術監理部門以外 【B】総合技術監理部門
経路① 技術士補の登録日以降、技術士補として指導技術士を補助 4年を超える期間 7年を超える期間
経路② 技術士補となる資格を有した日以降、監督者の下で科学技術に関する業務(技術士補登録は不要) 4年を超える期間 7年を超える期間
経路③ 科学技術に関する業務(技術士補登録不要、指導者・監督者の有無や要件を問わない) 7年を超える期間 10年を超える期間

経路③は「技術士補となる資格を有した日以前の期間も算入できる」点が重要です。第一次試験に受かったのが最近でも、それ以前の実務が通算できます。多くの社会人が実際に使う経路です。

🔑 見落とされやすい短縮規定がひとつあります。案内は、経路①〜③のすべての期間について、学校教育法による大学院における研究経歴の期間(上限2年)を減じることができると定めています。修士課程を出ていれば、必要年数が最大2年短くなるということです。また、経路①と経路②の業務経歴は相互に合算できます。働きながら大学院に通う選択肢の全体像は 社会人大学院ガイド2026 にまとめています。

なお【B】は3経路とも【A】より3年長く設定されています。総合技術監理部門については、第二次試験合格者が経路③【B】で申し込む場合は7年を超える期間とされています。

目的・立場と役割・技術的内容及び課題・技術的成果の4要素に配分された720字の枠
4要素を入れると、1要素あたり150〜200字しか残らない

720字をどう組み立てるのか — 6ステップ

  1. 「専門とする事項」を先に確定する。案内は、この欄を「専門とする事項」を踏まえて書くよう求めています。順序が逆になると、選んだ業務と申告した専門がずれます。ここが最初のステップです。
  2. 業務を1件に絞る。選ぶ基準は規模ではなく、あなた自身の技術的判断が説明できるかです。大きな案件でも、担当が限定的なら口頭試験で答えられません。
  3. 4要素の字数を先に配分する。目的・立場と役割・技術的内容及び課題・技術的成果。720字を4分割すると1要素180字です。配分を決めずに書くと、経緯の説明で400字を使い、成果が2行で終わります。
  4. 課題と成果を対にする。「何が技術的に難しかったか」と「それをどう解いたか」が対応していないと、成果が業務の完了報告に見えます。課題→検討→成果の論述の型は 論文の考察の書き方2026 と同じ構造です。
  5. 主語を「私」で通す。「〜が行われた」と受動で書くと、あなたの立場と役割が消えます。組織の成果ではなく、あなたの技術的判断を書く欄です。
  6. 720字に収める。字数制限のある要約に情報を落とさず詰める作法は 論文要旨・アブストラクトの書き方2026 がそのまま応用できます。

総合技術監理部門を申し込む場合は要件が加わります。案内は、総合技術監理の視点、すなわち経済性管理・人的資源管理・情報管理・安全管理・社会環境管理の5つから記入するよう求めています。個別技術の深さではなく、この5視点での管理を書く欄になります。

口頭試験を意識するとは具体的に何か

令和8年度の日程では、筆記試験が7月19日・20日、筆記試験合格発表が11月上旬、口頭試験が12月上旬から翌年1月中旬のうち通知された日、口頭試験合格発表が令和9年3月中旬です。申込みは3月24日から4月15日(郵送受付は4月1日〜4月15日、WEB受付は4月1日9:00〜4月14日17:00)。

つまり提出から口頭試験まで8か月以上あります。そのあいだにあなたは書いた内容を忘れますが、試験委員は初めて読みます。

  • 裏付けられない数値を書かない。「コストを30%削減」と書けば、その算定根拠を口頭で聞かれます。
  • 説明できない専門用語を使わない。字数を節約するために略語を詰め込むと、定義を問われて答えられなくなります。
  • 提出した控えを保管する。口頭試験の準備は、自分が何を書いたかの確認から始まります。
  • 想定質問を作る。やり方は 大学院面接の対策2026 の「書いた文書から質問を逆算する」手順が近い考え方です。

締切から逆算する進め方そのものは スケジュールの逆算のしかた2026 も参考になります。

⚠️ 本記事は令和8年度の公表資料に基づく解説です。日程・様式・要件は年度ごとに変わります。必ず日本技術士会が公表する当該年度の「受験申込み案内」と実施案内で確認してください。本記事だけで申込みを確定させないでください。

よくある質問

業務内容の詳細は何字まで書けますか?

720字以内です。図表は使えず、半角文字も1字として数えます。「詳細」欄に○を付した業務について必ず記入します。

複数の業務をまとめて書いてもよいですか?

いけません。受験申込み案内は、「詳細」欄に○を付した期間中に業務が複数にわたる場合は、そのなかから1つの業務を選んで記入するよう求めています。

技術士補に登録していなくても受験できますか?

できます。経路②と経路③は技術士補としての登録を必要としません。とくに経路③は指導者や監督者の有無・要件を問わず、技術士補となる資格を有した日以前の期間も算入できます。ただし経路③は必要年数が長くなります。

大学院に行っていた期間は実務経験に使えますか?

経路①〜③のすべてについて、学校教育法による大学院における研究経歴の期間を上限2年まで、必要な年数から減じることができます。

総合技術監理部門では書き方が変わりますか?

変わります。総合技術監理部門を申し込む場合は、経済性管理・人的資源管理・情報管理・安全管理・社会環境管理という総合技術監理の視点から記入するよう求められています。必要な業務経歴年数も、各経路で3年長く設定されています。

提出した業務内容の詳細は口頭試験で使われますか?

技術士第二次試験は筆記試験合格者に対して口頭試験が行われる構成で、実務経験証明書は受験申込み時に提出する書類です。申込みは春、口頭試験は同年12月上旬から翌年1月中旬に行われるため、書いた内容を説明できる状態にしておく必要があります。

下書きに時間をかけすぎないために

この欄で消耗するのは、書くことがないからではなく、10年ぶんの業務を720字に落とす作業が「削る」作業だからです。素案の骨格を組み立てる段階では、Tesifyのような下書きツールで4要素の配分を試す方法もあります。

Tesifyがしないこと:あなたの業務経歴を作りません。生成された文章はそのまま提出できる完成物ではなく素案です。技術的判断の中身、数値の根拠、あなたの立場と役割は、その業務を担当したあなたにしか書けません。そしてこの書類は、8か月後に試験委員の前で口頭で説明することが前提です。自分の言葉で説明できない文章を提出すれば、筆記に合格しても口頭で行き詰まります。AIを使った場合の考え方は 論文でのAI利用の明記のしかた2026 も参照してください。

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