科研費の採択率 最新データ2026|種目別・分野別の採択率推移と申請の実態

科研費の採択率 最新データ2026|種目別・分野別の採択率推移と申請の実態

科研費の採択率は、研究種目によって10%台前半から40%台まで大きな開きがある。基盤研究(C)のように応募件数が4万件を超える種目は採択率が27%台にとどまる一方、若手研究は40%前後で推移する。この差がどこから生まれているのかを理解しないまま申請書を書くと、種目選びの段階でつまずきやすい。本記事では日本学術振興会(JSPS)が公表する研究種目別の応募件数・採択件数・採択率データをもとに、令和6(2024)年度から令和7(2025)年度にかけての推移を整理する。

結論を先に。 JSPS公表データによると、令和7年度の主要種目の採択率は、基盤研究(C)27.4%、基盤研究(B)26.7%、基盤研究(A)26.1%、基盤研究(S)12.1%、若手研究40.2%、特別推進研究11.4%。応募資格が広く応募件数が多い種目ほど採択率は20%台に、応募者層が絞られる若手研究は40%前後になる傾向がある。年度間の変動は主要種目で数ポイント以内に収まっている。

科研費とは何か

科学研究費助成事業(科研費)は、日本学術振興会(JSPS)が文部科学省と連携して運営する、人文学・社会科学から自然科学まで全ての分野を対象とする competitive research fund である。基盤研究(S・A・B・C)、若手研究、特別推進研究、学術変革領域研究など複数の種目に分かれており、それぞれ対象となる研究規模・研究期間・応募資格が異なる。研究者は自分の研究計画の規模と応募資格に応じて種目を選び、毎年秋に応募し、翌年春から夏にかけて採否が通知される。

採択率という数字の読み方

科研費の採択率とは、その年度に新規応募された件数のうち、実際に採択された件数の割合を指す。JSPSが公表する「研究期間別新規応募・採択件数」は、種目ごとに応募件数・採択件数・採択率を集計した一次資料であり、本記事のデータもこの資料に基づく。注意したいのは、種目によって応募者の母集団も採択枠の性質も異なるため、種目をまたいで単純に「採択率が高い=通りやすい」と読むのは適切ではない点だ。基盤研究(C)の27%と若手研究の40%を並べて優劣を語るより、自分が応募資格を満たす種目の中で推移を追う方が実務的に意味がある。

種目別の採択率比較(令和6→7年度)

科研費の採択率を種目別に、令和6(2024)年度と令和7(2025)年度で比較すると次のようになる。出典はいずれもJSPS「研究期間別新規応募・採択件数」(令和6年度版は令和6年12月現在、令和7年度版は令和7年5月現在の集計)。

種目 R6応募件数 R6採択率 R7応募件数 R7採択率
特別推進研究 72 13.9% 70 11.4%
学術変革領域研究(A)計画研究 1,406 11.3% 1,409 10.4%
学術変革領域研究(A)公募研究 2,415 24.8% 2,307 23.0%
学術変革領域研究(B)計画研究 570 15.4% 632 12.8%
基盤研究(S) 547 11.9% 568 12.1%
基盤研究(A) 2,320 27.2% 2,468 26.1%
基盤研究(B) 11,875 28.0% 12,312 26.7%
基盤研究(C) 45,713 27.5% 46,497 27.4%
若手研究 13,207 40.1% 13,883 40.2%

出典:日本学術振興会「研究期間別新規応募・採択件数」令和6(2024)年度版(令和6年12月現在)・令和7(2025)年度版(令和7年5月現在)

この比較から読み取れるのは、主要種目の採択率が年度間で大きく崩れていない点だ。基盤研究(C)は27.5%→27.4%、若手研究は40.1%→40.2%とほぼ横ばい。一方で学術変革領域研究(B)計画研究は15.4%→12.8%と2.6ポイント下がっており、大型・新設種目ほど年度間の変動が大きい傾向が見える。

科研費の種目別採択率を比較する棒グラフのイメージ
主要種目間で採択率の水準が大きく異なることを示すイメージ図

基盤研究(C)|応募数最多の種目

基盤研究(C)は科研費の中で応募件数が最も多い種目で、令和7年度は46,497件の応募に対し12,756件が採択され、採択率は27.4%だった。応募資格の間口が広く、比較的小規模な研究費(応募区分は主に研究期間3〜5年)を対象とすることから、大学院生を含む幅広い研究者層が応募する母集団となっている。応募件数が多いぶん、採択率自体は基盤研究(B)・(A)と近い20%台後半で安定している。

若手研究の採択率が高い理由

若手研究の採択率は令和6年度40.1%、令和7年度40.2%と、他の主要種目と比べて明確に高い水準にある。若手研究は博士の学位取得後一定年数以内の研究者に応募資格を限定しており、応募者層そのものが絞られている。基盤研究(C)のように応募資格が広い種目と単純比較すると「若手研究の方が通りやすい」ように見えるが、実際には対象とする研究規模・審査基準が異なる別カテゴリーとして捉えるべきだ。

特別推進研究・学術変革領域研究など大型種目

特別推進研究は科研費の中でも最大規模の研究費を対象とする種目で、応募件数自体が令和7年度で70件と極めて少ない。採択件数は8件、採択率は11.4%(令和6年度は13.9%)。学術変革領域研究(A)は「計画研究」と「公募研究」に分かれており、令和7年度の採択率は計画研究10.4%、公募研究23.0%。同じ学術変革領域研究でも計画研究の方が採択率が低く、審査のハードルが高いことが数字から確認できる。

その他の種目(令和6年度実績)

令和6年度データでは、上記以外の種目についても採択率が公表されている。挑戦的研究(開拓)は応募1,564件・採択170件で採択率10.9%、研究活動スタート支援は応募4,179件・採択1,521件で採択率36.4%、国際共同研究強化(B)は応募1,278件・採択208件で採択率16.3%だった(いずれもJSPS「研究期間別新規応募・採択件数」令和6(2024)年度版、令和6年12月現在)。研究活動スタート支援は新規採用の研究者を対象とする種目で、若手研究と同様に応募者層が絞られていることが採択率の高さにつながっていると考えられる。

科研費の年度別採択率推移を示す折れ線グラフのイメージ
種目によって年度間の採択率変動の大きさが異なることを示すイメージ図

分野による違い

科研費の採択率は種目だけでなく、分野(大区分・中区分)によっても差が生じる。JSPSと文部科学省は種目別データとは別に、分野別の配分状況をまとめた資料を公表しており、応募件数の多い分野・少ない分野で採択率の水準が異なることが知られている。分野をまたいだ厳密な比較をしたい場合は、本記事の種目別データに加えて、JSPSの「科研費データ」ページおよび文部科学省の「科学研究費助成事業の配分について」の一次資料を確認するのが確実だ。

採択率を左右する要素と申請の実務

採択率の数字そのものは応募者側でコントロールできないが、申請書の質は準備段階で改善できる部分が大きい。研究目的と方法の整合性、先行研究との差別化、研究期間内で実現可能な計画になっているかは、審査で繰り返し指摘されるポイントだ。研究計画書の構成を固めてから種目ごとの様式に落とし込む進め方が、書き直しの手戻りを減らす。研究計画書の型を先に整理したい場合は、研究計画書の書き方2026|目的・方法・スケジュールを通す構成テンプレートで構成テンプレートを確認できる。

また、科研費と並んで博士課程・ポスドク研究者が申請する日本学術振興会特別研究員(学振)制度もあり、申請書の骨格には共通する部分が多い。学振DC1・DC2の申請要件を確認したい場合は学振特別研究員(DC1・DC2)申請ガイド2026を参照してほしい。研究費の申請書作成でドラフトの整理や表現の推敲に時間がかかる場合、TesifyのようなAIライティング支援ツールを下書き段階の壁打ちに使う研究者も増えている。

研究費をめぐる環境をより広い視点で捉えたい場合は、大学院進学率や女性研究者の割合など関連する統計データも参考になる。大学院進学率の推移は大学院進学率の最新データ2026、研究者に占める女性の割合は日本の女性研究者の割合 最新データ2026で確認できる。

よくある質問

Q. 科研費の採択率は平均何%ですか?

種目によって大きく異なる。令和7(2025)年度は基盤研究(C)27.4%、基盤研究(B)26.7%、基盤研究(A)26.1%、基盤研究(S)12.1%、若手研究40.2%、特別推進研究11.4%(JSPS公表データ)。種目の性質が違いすぎるため、単一の「平均採択率」は参考にしにくい。

Q. なぜ若手研究の採択率は基盤研究より高いのですか?

若手研究は博士取得後一定年数以内の研究者に応募資格を限定しており、応募者層が絞られていることが採択率40%前後の一因とされる。基盤研究(C)のように応募資格が広い種目は応募件数自体が多く、採択率が20%台にとどまりやすい。

Q. 基盤研究(S)の採択率が低いのはなぜですか?

基盤研究(S)は大型・長期の研究費を対象とする種目で、審査基準が厳しく採択枠自体も小さい。令和6・7年度とも採択率は12%前後で、基盤研究A・B・Cより低い水準で推移している。

Q. 科研費の採択率は年度によって大きく変動しますか?

主要種目は年度間で大きくは動いていない。基盤研究(C)は27.5%→27.4%、若手研究は40.1%→40.2%。一方、学術変革領域研究(B)計画研究のように15.4%→12.8%と数ポイント下がる種目もある。

Q. 分野別の採択率データはどこで確認できますか?

JSPSの「科研費データ」ページおよび文部科学省が公表する「科学研究費助成事業の配分について」の資料に、大区分・中区分別の配分状況が掲載されている。種目別データより詳細な内訳が必要な場合はこれらの一次資料を確認するのが確実。

まとめ

科研費の採択率は種目ごとに水準も変動パターンも異なる。応募を検討する際は、自分の応募資格に合う種目の過去数年分の推移をJSPSの一次資料で確認し、採択率の高低よりも研究計画の完成度に時間を割く方が実務的だ。研究計画書の構成を固める段階では、テンプレートやAIライティング支援ツールを併用して下書きのスピードを上げる方法も選択肢になる。

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