オープンアクセス論文の割合データ2026|世界56.2%・日本の実態とAPC費用
世界のオープンアクセス論文の割合は2022年時点で56.2%に達し、発表される論文の6割近くが無料で読める状態にある。オープンアクセス 論文 割合の実態を、世界・日本双方の統計とAPC(論文処理費用)の相場から整理する。
要点:内閣府・NISTEPの資料によると、2022年時点の世界のオープンアクセス化率は56.2%。分野別では基礎生命科学66.5%、臨床医学65.6%と高い一方、材料科学は36.4%にとどまる。日本は機関リポジトリの整備や即時オープンアクセス義務化の方針化が進むが、年次ベースの全国OA化率を単一の数値で示す公的統計は現時点で存在しない。APC(論文処理費用)はゴールドOAで500〜5000米ドル程度が相場とされる。

世界のオープンアクセス論文の割合はどれくらいか
内閣府・科学技術イノベーション推進事務局がNISTEP(科学技術・学術政策研究所)のデータをもとに2022年11月に公表した資料によると、2022年時点の世界全体のオープンアクセス化率は56.2%で、世界の論文の6割近くがすでにOA化されている。分野別に見ると差が大きく、次の通りである。
| 分野 | OA化率(2022年) | 出典 |
|---|---|---|
| 基礎生命科学 | 66.5% | 内閣府CSTI資料(NISTEPデータ, 2022年11月) |
| 臨床医学 | 65.6% | 同上 |
| 材料科学 | 36.4% | 同上 |
| 世界全分野平均 | 56.2% | 同上 |
この数値はゴールド・ハイブリッド・グリーンの3類型を集計したもので、公開期間が限定的な「ブロンズOA」は集計対象から除外されている。生命科学系・医学系で公開が進む一方、材料科学のように装置・産業応用と結びつきやすい分野ではOA化が遅れる傾向がある。
ゴールドOA・グリーンOA・ハイブリッドOAの違いは何か
- ゴールドOA:著者または所属機関がAPCを支払い、出版社サイトで即座に無料公開されるモデル。
- グリーンOA:出版社の雑誌に掲載しつつ、著者最終稿などを機関リポジトリやプレプリントサーバーに並行して公開するモデル。APCは発生しないことが多い。
- ハイブリッドOA:購読型雑誌の中で、著者がAPCを支払った論文のみ個別にオープンアクセス化するモデル。
このほか、出版社が一定期間後に無料公開する「ブロンズOA」もあるが、公開の継続性が保証されないため、公的統計の集計対象から外れることが多い。
日本のオープンアクセス化の実態はどうなっているか
日本国内の年次OA化率を単一の数値で示す確定統計は本稿執筆時点で公表されていないが、関連する指標はいくつか存在する。NISTEPが実施したアンケート調査では、研究者の83%が「これまでに論文をオープンアクセスで公開した経験がある」と回答しており、欧州の92%と比べるとやや低い水準にある。ただしこれは年間のOA化率ではなく、研究者個人の累積経験を尋ねた値である点に注意したい。
機関面では、2024年3月31日時点で日本国内の公開機関リポジトリ数は785に達しており、大学図書館を中心にOA公開の基盤整備が進んでいる。政府は2024年2月16日、統合イノベーション戦略推進会議で「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」を決定し、公的資金による研究成果について即時OAを段階的に義務化する方向を示した。
APC(論文処理費用)はどのくらいかかるのか
ゴールドOAおよびハイブリッドOAでは、著者または所属機関がAPC(Article Processing Charge、論文処理費用)を負担する。相場は雑誌の影響力や分野によって幅があり、一般的には500〜5000米ドル程度、Natureブランド誌やPLOS ONEなど著名誌では2000〜5000米ドル程度とされる。日本の大学図書館の多くは出版社との契約に基づくAPC割引制度を設けているが、大学図書館側の費用負担は年々増加傾向にあると指摘されている。
2026年に向けた政策動向はどうなっているか
NISTEPは2024年11月〜12月にかけて「論文のオープンアクセスとプレプリントに関する実態調査2024」を実施し、1679名の研究者に依頼し1279件の有効回答を得た。調査ではAPC負担や業績評価とOAの関係が論点となっており、今後の政策議論の基礎データとして活用される見込みである。即時OA義務化の方針が段階的に実施されれば、日本のゴールドOA・グリーンOAの比率は今後数年で明確に上昇すると見込まれる。

論文の執筆段階からオープンアクセス誌への投稿を見据えて構成を整える際には、Tesifyのようなツールで下書きを効率化する研究者や大学院生も増えている。
論文数そのものの国際比較については日本の論文数の国際比較データで確認できる。研究費の側面では科研費の採択率データがAPC負担の原資にも関わる指標となる。研究の透明性という観点では論文不正の統計データも合わせて参照したい。大学院修了後の初任給水準については大学院卒の初任給データで学歴別に整理している。
よくある質問
Q. 世界のオープンアクセス論文の割合はどれくらいですか?
内閣府・NISTEPの資料によると、2022年時点の世界全体のオープンアクセス化率は56.2%である。
Q. ゴールドOAとグリーンOAの違いは何ですか?
ゴールドOAは著者や所属機関がAPCを支払い出版社サイトで即座に公開するモデル、グリーンOAはAPCを支払わず機関リポジトリなどに並行して公開するモデルである。
Q. 日本のオープンアクセス化率は何%ですか?
年次ベースの全国OA化率を単一の数値で示す確定統計は現時点で公表されていない。参考指標として、研究者の83%が論文公開の経験があると回答した調査結果がある(欧州は92%)。
Q. APC(論文処理費用)の相場はいくらですか?
一般的には500〜5000米ドル程度で、Natureブランド誌やPLOS ONEなど著名誌では2000〜5000米ドル程度とされる。
Q. 日本政府は即時オープンアクセスを義務化しますか?
2024年2月16日、統合イノベーション戦略推進会議が「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」を決定し、公的資金による研究成果について段階的な義務化の方向性を示した。
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