論文の文体ルール2026|「だ・である体」と一貫した学術的文章の書き方

論文の文体とは、だ・である体を基調とし、一人称や口語表現を排除した、客観的で一貫性のある学術的な文章表現のことです。

論文の文体はなぜ「だ・である体」が基本なのか?

学術論文では「です・ます体」ではなく「だ・である体」を用いるのが慣例です。である体は断定的で簡潔な表現ができ、客観性や論理性を重視する学術的な文脈になじみます。です・ます体は丁寧で親しみやすい反面、冗長になりやすく、論文の主張が弱く見えてしまうことがあります。全体の構成を整える段階から文体を統一しておくと、後の修正が減ります。構成の全体像は論文の書き方 完全ガイドで確認できます。

一人称(私・僕)はどう扱えばいい?

日本語の学術論文では「私」「筆者」「本研究では」のような表現を使い、「僕」「自分」といった口語的な一人称は避けます。分野によっては一人称を極力使わず「本論文では」「本研究において」のように主語を省略する書き方も一般的です。所属する学部・研究室の慣例に従うのが安全です。

話し言葉・口語表現はなぜ避けるべきか?

「なので」「だから」「けど」「〜みたいな」といった話し言葉は、論文の客観性と説得力を損ないます。学術的な文章では「そのため」「したがって」「〜という」のような書き言葉に置き換える必要があります。序論部分は特に第一印象を左右するため、序論の書き方とあわせて文体を見直すと効果的です。

赤ペンで文章を校正している添削中のノートの写真

一文の長さはどれくらいが適切か?

一文が長くなるほど主語と述語の対応が崩れやすくなります。目安として一文は60〜80字程度に収め、接続詞を使って複数の短い文に分けると読みやすくなります。一つの文に複数の主張を詰め込まないことが、明快な学術的文章の基本です。

能動態と受動態はどう使い分ける?

方法や結果を客観的に述べる際は受動態(〜が行われた、〜が示された)が使われることが多く、一方で考察や主張を述べる際は能動態(〜と考えられる、〜を明らかにした)が適しています。分野の慣習にもよるため、指導教員が過去に指導した論文や、卒論全体の型を示す卒論の書き方 完全ガイドも参考にしてください。

積み重なった学術書と開いた辞書が並ぶ書斎の写真

よくあるNG表現と学術的な言い換え
NG表現 学術的な言い換え
だと思います と考えられる
なので〜 そのため〜/したがって〜
〜みたいな 〜のような
すごく重要 極めて重要
調べてみた 調査を行った
〜という感じ 〜という傾向がある

よくある質問

である体とですます体を混在させてもいいですか?

基本的には避けるべきです。論文全体で文体を統一しないと、読み手に一貫性のない印象を与えてしまいます。

目次や図表のキャプションも「である体」にする必要がありますか?

目次や見出し自体は体言止めが基本のため文体の問題は生じませんが、図表の説明文(キャプション)は本文と同じ「である体」で統一するのが一般的です。目次全体の作り方は論文の目次の作り方で解説しています。

「〜と思われる」は使ってもいいですか?

断定を避けたい場合に使われますが、多用すると主張が弱く見えます。根拠がある場合は「〜と考えられる」「〜が示唆される」のような表現が好まれます。

英語論文の直訳のような文体は問題になりますか?

受動態を多用しすぎるなど、英語論文の構文をそのまま日本語に当てはめると不自然になることがあります。日本語の学術的な言い回しに合わせて調整しましょう。

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