書籍の参考文献は「著者名・書名・版表示・出版社・発行年」が基本で、SIST 02は発行年を末尾、APAは著者直後に置きます。翻訳書は訳者、章単位の引用は編者とページを併記し、電子書籍は入手先を加えるのが2026年の標準です。
書籍の参考文献とはどんな要素で構成される?
書籍の参考文献とは、単行本を情報源として使った際にリストへ記載する書誌情報のことで、著者名・書名・版表示・出版社・発行年・(該当ページ)の要素で構成されます。この要素の並べ方がSIST 02とAPAで異なる点が、書き方に迷う最大の原因です。学術論文の参考文献では新聞や雑誌とは異なる粒度の情報が求められるため、要素を一つでも欠くと不完全な記載とみなされることがあります。
SIST 02とAPAの並び順の違い

| 要素の位置 | SIST 02 | APA第7版 |
|---|---|---|
| 発行年の位置 | 末尾(出版社の後) | 著者名の直後(括弧書き) |
| 書名の強調 | 斜体または『』 | イタリック体 |
| 並べ方 | 本文中の引用順 | 著者姓のアルファベット順 |
SIST 02は日本の科学技術情報流通技術基準として定められた書式で、理工系分野で広く使われます。一方のAPAは心理学・社会科学系で主流であり、同じ書籍でもどちらのスタイルで書くかによって要素の並び順を丸ごと組み替える必要がある点に注意してください。指導教員から指定されたスタイルを執筆前に必ず確認し、途中でスタイルを混在させないことが重要です。
単著・共著の記載例(コピペ用)
- SIST 02・単著:山田太郎. 論文の書き方入門. 第2版, 学術出版社, 2024, 240p.
- SIST 02・共著:山田太郎, 佐藤花子. 研究方法論. 学術出版社, 2023, 180p.
- APA・単著:Yamada, T. (2024). Introduction to academic writing (2nd ed.). Academic Press.
- APA・共著:Yamada, T., & Sato, H. (2023). Research methodology. Academic Press.
共著者が3名以上になる場合、SIST 02では原則として全員を列挙しますが、7名を超える場合は代表者のみ記載し「ほか」を添えるなど、出版社や学会の指定に従うのが実務的な対応です。APAでも著者が21名を超える場合は特殊なルールがあるため、大人数の共著書を扱う際は最新のAPA公式ガイドを確認しましょう。
翻訳書の記載例

翻訳書は原著者と訳者の両方を明記する必要があります。
- SIST 02:Smith, J. 質的研究の技法. 田中一郎(訳), 学術出版社, 2024.
- APA:Smith, J. (2024). 質的研究の技法(田中一郎, 訳). 学術出版社.(原書出版 2020)
APAでは原書の出版年を末尾に括弧書きで補足するのが特徴的なルールです。翻訳書を情報源として使った場合、本文引用でも原著者名を主体に表記し、訳者名は参考文献リストのみで示すのが一般的です。原書の出版年と訳書の出版年のどちらを本文引用に使うかで迷った場合は、実際に読んだ訳書の発行年を使うのが基本です。
編著の一章だけを引用する場合
編著の特定章を情報源とする場合は、章の著者名・章タイトルに加え、編者名とページ範囲を明記します。
- SIST 02:佐藤花子. 「量的分析の基礎」. 山田太郎(編), 研究法ハンドブック, 学術出版社, 2024, pp.55-78.
- APA:Sato, H. (2024). Basics of quantitative analysis. In T. Yamada (Ed.), Handbook of research methods (pp. 55–78). Academic Press.
編著全体ではなく該当章のみを参照した場合、編著全体の書誌情報だけを記載するのは不十分です。章の著者・章タイトル・ページ範囲まで示すことで、どの部分を参照したかが読者にも明確になります。同じ編著から複数の章を引用する場合は、章ごとに別の参考文献として記載します。
電子書籍(Kindle等)の記載例
電子書籍はページ番号が端末により変動するため、章番号や見出しで代替し、入手先を明記するのが実務上の対応です。
- SIST 02:山田太郎. 論文の書き方入門. 学術出版社, 2024. Kindle版.
- APA:Yamada, T. (2024). Introduction to academic writing [Kindle edition]. Academic Press.
紙版と電子版の両方が存在する書籍を引用する場合は、実際に読んだ版を記載するのが原則です。紙版のページ番号を電子版から推測して記載するのは避けましょう。電子書籍のみで刊行されている場合は、入手可能なストアやプラットフォーム名を補足しておくと読者が原典にたどり着きやすくなります。
体裁チェックの手間を減らすには
書籍の参考文献はケースごとに要素が増減するため、手作業では表記ゆれが発生しやすい領域です。単著・共著・翻訳書・章単位の引用が混在する卒論・修論では、リスト全体で書式が揃っているかの最終チェックにも時間がかかります。収集した文献情報から書式を統一したリストを組み立てる際は、TesifyのようなAI論文作成支援ツールを使うと、SIST 02・APAどちらの書式でも整合性の取れたリスト作成を効率化できます。
よくある質問
翻訳書の参考文献はどう書きますか?
原著者名に続けて訳者名を明記します。SIST 02では「原著者名. 書名. 訳者名, 出版社, 発行年.」の順、APAでは「原著者名. (発行年). 書名(訳者名, 訳). 出版社.(原書出版年)」のように原書刊行年を括弧で補足するのが基本形です。
本の一部(章)だけ引用する時の書き方は?
編著の一章を引用する場合は、章の著者名・章タイトルに加え、編者名と該当ページ範囲を明記します。SIST 02・APAいずれも「編者名 (編), 書名, 出版社, 発行年, pp.開始-終了」のようにページ範囲が必須です。
版数(第2版など)は書く必要がありますか?
初版以外の場合は版表示が必須です。SIST 02では書名の直後に「第2版」、APAでは書名の直後に括弧書きで「(2nd ed.)」のように示します。版によって内容やページ番号が変わるため省略できません。
電子書籍(Kindle)の参考文献の書き方は?
基本の書誌情報に加えて入手先を明記します。SIST 02では末尾に入手先URLとアクセス日、APAでは出版社名の後にKindle版などの形式表記を加える運用が一般的です。ページ番号が変動する場合は章番号や見出しで代替します。
