図表の出典・引用の書き方2026|SIST 02・APA別の図のキャプションと転載許諾

図表の出典・引用の書き方2026|SIST 02・APA別の図のキャプションと転載許諾

卒論や修士論文で図・表を使うとき、「出典をどこに、どう書けばいいのかわからない」という声は後を絶ちません。図表の出典の書き方は本文中の引用とは別のルールがあり、しかも使用する書式(SIST 02かAPA 7版か)によって表記が大きく異なります。書き方を間違えると著作権上の問題になるだけでなく、指導教員から修正を求められ提出期限が危うくなることもあります。

このガイドでは、SIST 02とAPA 7版それぞれの図・表キャプションの書き方を、自作・引用・改変の3パターンごとに、そのままコピペして使える例とあわせて解説します。転載許諾が必要になるケースと申請の流れも最後にまとめています。

ポイントをひと言で
図のキャプション(説明文+出典)は図の直下に、表のキャプションは表の直上に置く。自作なら「筆者作成」、他文献から引用なら「出典:〇〇より」、改変なら「出典:〇〇より改変」と明記する。APA 7版では Note. から始まる書式を使い、転載の場合は “Reprinted with permission.” を付記する。

キャプションの基本:図と表で位置が違う

日本語論文でも英語論文でも共通している重要なルールがあります。

  • 図(グラフ・写真・イラストなど):キャプションと出典は図の下に記載する
  • 表:タイトルは表の上に記載し、出典(注記)は表の下に記載する

この位置のルールはSIST 02でもAPA 7版でも共通です。混同しやすいので、図は下・表は上(タイトル)という原則を先に確認しておきましょう。なお、図番号・表番号は論文全体で通し番号を使い(図1、図2、…)、章ごとにリセットする場合は指導教員や学科のスタイルに従います。

論文における図と表のキャプション配置ルール:図は下・表のタイトルは上という基本原則の図解
図と表のキャプション配置:図は直下・表のタイトルは直上・出典注記は表の下が原則

本文での引用表記のルール全般については、論文の引用ルール完全ガイド2026もあわせて参照してください。

【SIST 02】図表の出典の書き方

SIST 02(科学技術情報流通技術基準)は、日本の理工系・自然科学系の論文で広く採用されている参考文献・引用の基準です。図表の出典表記には定型の書式はなく、参考文献リストの書式に準じて「出典:」と冒頭に付けて記載するのが一般的な慣行です。

① 自作の場合(データ・計算が自分自身のもの)

自分で収集したデータや計算結果をもとにした図・表には出典の明示は不要ですが、読者がわかるように「筆者作成」と添えるのが丁寧とされています。

図1 2023年度アンケート調査の回答分布(筆者作成)

表1 各グループの基本統計量(筆者作成)

② 他の文献から転載(そのまま使用)する場合

図・表をそのままの形で使用する場合は「出典:」を付け、SIST 02形式の書誌情報を記載します。雑誌論文の場合の形式は次のとおりです。

図2 市場規模の推移
出典:山田太郎. 市場分析の手法. 経済学研究. 2022, 68(3), p. 45.

ウェブサイト上の図・表を使用する場合は閲覧日も記載します。

図3 国内人口の推移
出典:総務省統計局. 人口推計. https://www.stat.go.jp/data/jinsui/. (参照 2026-05-10).

③ 改変した場合(一部加工・再集計)

原図・原表を加工・再集計した場合は「〜より改変」または「〜をもとに筆者作成」と付記します。

図4 製品別シェアの比較
出典:山田太郎. 市場分析の手法. 経済学研究. 2022, 68(3), p. 45. をもとに筆者改変.

参考文献の書式全般については、参考文献の書き方完全ガイド|SIST 02・APA対応【2026年版】を参照してください。

【APA 7版】図表の出典の書き方

APA(アメリカ心理学会)スタイルは社会科学・心理学・教育学系の論文でよく使われます。APA 7版では図・表の出典をNote.(イタリック体)から始まる注記欄に記載します。

① 自作の場合

自作のデータから作成した場合は注記不要ですが、必要に応じて「Note.」節に補足を加えられます。

Figure 1
Survey Response Distribution by Group (2023)
Note. Data collected by the author in 2023 (N = 120).

② 他の文献から転載(Reprinted from)する場合

APA 7版では「From」または「Adapted from」で出典を始め、著作権表示と許諾文を続けます。

Figure 2
Market Share Trends 2020–2023
Note. From “Market Analysis Methods,” by T. Yamada, 2022, Journal of Economics, 68(3), p. 45 (https://doi.org/10.xxxx/xxxxx). Copyright 2022 by Economic Research Institute. Reprinted with permission.

③ 改変した場合(Adapted from)

Figure 3
Adapted Market Share Comparison by Product Category
Note. Adapted from “Market Analysis Methods,” by T. Yamada, 2022, Journal of Economics, 68(3), p. 45 (https://doi.org/10.xxxx/xxxxx). Copyright 2022 by Economic Research Institute. Adapted with permission.

ウェブ上の画像・図を引用した場合は閲覧日とURLを添えます。ウェブサイトの参考文献の記載形式については、ウェブサイトの参考文献の書き方2026|SIST 02・APA別の記載例とURL・閲覧日も参照してください。

SIST 02とAPA 7版の違い早見表

比較項目 SIST 02 APA 7版
図のキャプション位置 図の下 図の下
表のタイトル位置 表の上 表の上
表の出典位置 表の下 表の下(Note.)
出典の書き出し 「出典:」 Note.(イタリック)
転載の場合 「〜より」 “From … Reprinted with permission.”
改変の場合 「〜より改変」「〜をもとに筆者作成」 “Adapted from … Adapted with permission.”
著者名の順 姓名(または姓, 名) 姓, 名のイニシャル
雑誌名の表記 欧文はイタリック イタリック必須
著作権表示 慣行として任意 必須(”Copyright [年] by [著者/出版社]”)
主な使用分野 理工系・自然科学 社会科学・心理学・教育学

転載許諾が必要なケースと申請手順

著作権法上、引用(自分の論文が主・他者の図表が従、出典明示・必要最小限の範囲)は許諾なしで行えます。一方、転載(図・表をそのままの形で複製して論文に掲載すること)は著作権者の許諾が原則として必要です。

卒業論文・修士論文の多くは学内のみで閲覧される非公開の学術文書であるため、一部の出版社は許諾手続きを簡略化しているか不要としていることがあります。ただし機関リポジトリで公開する場合や学会誌へ投稿する場合は、明示的な許諾が求められます。

許諾申請の基本的な流れ

  1. 著作権者を確認する:雑誌論文の場合は出版社が著作権を持っていることが多い。著者ではなく出版社に問い合わせる。
  2. 出版社のポリシーを確認する:多くの大手出版社(Elsevier、Springer、Wiley など)はウェブサイトにリプリント申請窓口(RightsLink など)を設けている。
  3. 申請フォームに必要事項を記入する:使用目的(学術論文)、使用形態(印刷物 or 電子)、部数(または公開範囲)、使用する図番号などを明記する。
  4. 許諾文を取得し、キャプションに記載する:許諾が得られたら、その文言(”Reprinted with permission.”など)をキャプションの末尾に付記する。
SIST 02とAPA 7版における図表の出典記載形式の比較:構成要素と書き方の違いを示す図解
SIST 02とAPA 7版の図表出典記載形式の比較:「出典:」と「Note.」の違いと必要構成要素

引用と転載の境界線については、引用と剽窃の違いとは?2026|セーフな引用とアウトな転載を例で線引きも参考にしてください。

よくある間違いとチェックリスト

  • 図と表でキャプション位置を逆にする

    最も多い間違い。図は下、表のタイトルは上(出典は下)を徹底する。
  • 「出典:著者名」だけで書誌情報が不完全

    誌名・発行年・巻号・ページまで記載しないと特定できない。
  • ウェブサイト画像のURLだけを記載する

    著者名・ページタイトル・サイト名・閲覧日も必要。
  • 改変したのに「〜より」だけにする

    改変した場合は「より改変」または “Adapted from” を付けないと著作権上の問題になりうる。
  • APA 7版で Note. のイタリックを忘れる

    Wordでは “Note.” を選択してCtrl+Iでイタリックにする。
  • 本文中で図・表を言及しないまま掲載する

    「図1が示すように〜」などの言及を本文中に必ず入れる。

参考文献リスト全体の書き方を整理したい場合は、参考文献の書き方完全ガイド|SIST 02・APA対応【2026年版】を参照してください。

よくある質問(FAQ)

Excelで自分が作ったグラフにも出典が必要ですか?

グラフのデータが自分自身で収集・計算したものであれば出典は不要です。ただし「筆者作成」と添えると読者に明示できて親切です。一方、政府統計などのデータを使ってグラフを作成した場合は、そのデータの出典(統計名・機関・参照年・URL)を「出典:〜をもとに筆者作成」の形で記載します。

論文中の図を「参考にして」自分で書き直した場合、許諾は必要ですか?

概念的に参考にしただけで独自に描いた図であれば、著作物の複製にあたらないため許諾は不要です。ただし「〜の考え方を参考に筆者作成」などの注記を加えることで透明性が増します。原図のレイアウトや数値をほぼそのまま再現した場合は「改変」に該当し、出典明示と許諾申請が必要になります。

教科書の図をそのまま卒論に使いたい場合はどうすればいいですか?

教科書の図も著作物です。出典を明示した上で、学内提出のみの卒論であれば許諾なしで使用できる場合があります(著作権法第35条の「授業目的公衆送信補償金制度」が適用される場合)。機関リポジトリで公開する場合や出版する場合は出版社の許諾が必要です。不明な場合は大学の図書館の著作権相談窓口に問い合わせると確実です。

指導教員から書式の指定がなければSIST 02とAPAどちらを使えばいいですか?

理工系・自然科学系の学科であればSIST 02(または学会独自スタイル)が一般的です。社会科学・心理学・教育学・経営学であればAPA 7版が広く使われます。人文学系はシカゴ形式や学会指定スタイルを使うことが多いです。学科・専攻の先行卒論や、投稿予定の学会誌の投稿規定を確認するのが最も確実です。

図表の出典は参考文献リストにも載せる必要がありますか?

はい、必要です。図・表のキャプションに出典を記載するだけでなく、対応する文献を参考文献リストにも掲載します。APAスタイルでは “The figure and table sources should also appear in the reference list” と明示されています。SIST 02でも同様の考え方が適用されます。

Tesifyで参考文献・図表出典の整合性を確認する

図表のキャプションと参考文献リストの記載が整合しているか、書式ミスがないかを確認する作業は意外と時間がかかります。Tesifyを使えば、SIST 02・APA形式の参考文献の確認や論文の整合性チェックをサポートし、提出前の最終確認を効率化できます。書式の正確さにこだわりたい方はぜひ試してみてください。

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