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工学部の卒業研究・卒論の書き方2026|IMRAD構成と実験・図表のまとめ方

工学部の卒業研究・卒論の書き方2026|IMRAD構成と実験・図表のまとめ方

工学部の卒論は、実験・シミュレーション・設計で得たデータを軸に、序論・方法・結果・考察の順で組み立てるIMRAD構成で書くのが基本である。文献だけで論を進める人文・社会科学系の卒論と異なり、自分で取得した一次データをどう記録し、どう図表にまとめるかが評価の中心になる。

研究室によって卒業研究の進め方も文体のルールも大きく異なるが、多くの工学系分野で共通するのが、単位・有効数字を正確に扱い、図表と本文を対応させながら論を展開するという書き方の作法である。ここでは工学部の卒業研究・卒論を初めて書く学生に向けて、IMRAD構成の中身、実験ノートのつけ方、図表・数式の作り方までを順に整理する。

図とデータ表が書かれた手書きの実験ノート
実験ノートに生データを記録するイメージ
結論を先に言うと

工学部の卒論は「序論・方法・結果・考察」のIMRAD構成で書くのが基本である。実験ノートに生データを正確に記録し、図表には番号・キャプション・単位を明記して本文と対応させる。数値は有効数字を意識して報告し、学会発表につながる書き方を早めに身につけておくとよい。

工学部の卒論のIMRAD構成とは?

IMRADとは、Introduction(序論)・Methods(方法)・Results(結果)・Discussion(考察)の頭文字を取った論文構成の型で、電子情報通信学会や日本機械学会をはじめ多くの理工系学会の論文誌で採用されている標準形式である。工学部の卒業研究でも、この型に沿って書くと指導教員にも査読者にも伝わりやすい文書になる。

章 書く内容
序論(Introduction) 研究背景、先行研究の整理、本研究の目的と位置づけ
方法(Methods) 実験装置・条件・手順、シミュレーションのモデルとパラメータ
結果(Results) 得られたデータを図表で提示し、事実として記述する
考察(Discussion) 結果が何を意味するか、先行研究との比較、限界と今後の課題

ポイントは「結果」と「考察」を混同しないことである。結果の章ではデータを淡々と提示し、そこから何が言えるかという解釈・評価は考察の章に書く。この切り分けができているかどうかで、卒論全体の論理の追いやすさが大きく変わる。文系分野の卒論・論文と共通する章立ての考え方は、論文の構成の作り方(IMRADと章立てテンプレート)でも整理しているので、あわせて確認しておくとよい。

実験ノートはどう書けばよいか?

実験ノートは、実験の日時・条件・手順・生データを、後から誰が見ても再現できる粒度で記録するためのものである。実験がうまくいかなかった場合の条件や失敗の記録も、次の実験を計画するうえで貴重な情報になるため、消さずに残しておく。修正が必要な箇所は塗りつぶさず二重線で残し、修正した日時が分かるようにしておくと、後から卒論を執筆する際にデータの経緯をたどりやすい。

実験ノートに書いた生データは、卒論本文に転記する段階で単位や有効数字を統一する必要がある。ノートの段階から単位を明記する習慣をつけておくと、執筆時の見直しの手間が大幅に減る。

図表・数式・単位はどうまとめるか?

工学系の卒論では、図表が本文と同じくらい重要な情報源になる。図表には必ず通し番号とキャプションをつけ、本文中で「図1に示すように」「表2の結果から」のように明示的に参照する。軸ラベルには物理量名と単位(例:温度 T [℃]、応力 σ [MPa])を必ず併記し、本文を読まなくても図表単体で内容が伝わるように作るのが望ましい。

数式は独立した行に配置し、式番号を振って本文から「式(1)より」のように参照する。単位はSI単位系を基本とし、独自の単位を使う場合は初出時に定義を明記する。図表・数式のフォーマットは研究室やゼミごとにテンプレートが用意されていることが多いため、まず先輩の卒論や研究室のマニュアルを確認しよう。

軸ラベル付きの折れ線グラフとデータ表
図表で結果を提示するイメージ

有効数字はどう扱うか?

測定値の有効数字は、使用した測定機器の精度に対応させるのが基本的な考え方である。例えばノギスで測定した長さと、レーザー変位計で測定した長さでは、意味のある桁数が異なる。計算の途中経過では丸めすぎによる誤差の蓄積を避けるため多めの桁を保持し、最終的な報告値の段階で測定精度に見合った桁数に丸めるとよい。誤差の要因や測定の不確かさについても、考察の章で触れておくと評価が高まりやすい。

学会発表とはどうつながるか?

工学部の卒業研究の成果は、学内発表会だけでなく、学会の学生セッションや卒業研究発表会で口頭発表・ポスター発表として発信される機会が多い。卒論をIMRAD構成でしっかり書いておくと、そのまま発表スライドの骨格として転用できるため、卒論執筆と発表準備を並行して進めやすくなる。学会によって書式や引用スタイルの指定が異なるため、投稿・発表を予定している場合は、電子情報通信学会や日本機械学会など該当学会の執筆要項を早めに確認しておこう。

よくある失敗と対策は?

  • 結果と考察が混在する データの提示(結果)と解釈(考察)を章ごとに明確に分ける。
  • 図表に単位がない 軸ラベル・表の見出しには必ず単位を書き添える。
  • 実験ノートを後から作る 実験当日にその場で記録する習慣をつけないと、細部の条件を思い出せなくなる。
  • 先行研究との比較がない 考察の章では、自分の結果を先行研究の数値や知見と照らし合わせて評価する。

卒論全体の書き方の基本や推敲の進め方は論文の書き方完全ガイドや卒論の書き方完全ガイド、章立ての基本形は卒論の構成テンプレートで確認できる。文献主体で論を組み立てる分野の卒論との違いを知りたい場合は、法学部の卒論の書き方も参考になる。

よくある質問

工学部の卒論は卒業研究と同じですか?

工学部では研究活動そのものを「卒業研究」、その成果をまとめた文書を「卒業論文」と呼び分けることが多いが、実務上はほぼ同じものとして扱われる場合が大半である。所属研究室の呼称に従えばよい。

IMRAD構成とは何ですか?

Introduction(序論)・Methods(方法)・Results(結果)・Discussion(考察)の頭文字を取った論文構成の型で、理工系の論文・卒業研究で広く使われている。

実験ノートはどう書けばよいですか?

実験の日時・条件・手順・生データを、後から誰が見ても再現できる粒度で記録するのが基本である。修正した箇所も消さずに二重線で残し、修正履歴が分かるようにしておくとよい。

図表はどう作ればよいですか?

図表には必ず番号とキャプションをつけ、本文中で「図1に示すように」のように参照する。軸ラベルや単位を明記し、本文を読まなくても図表だけで内容が伝わるようにするのが望ましい。

有効数字はどう扱えばよいですか?

測定機器の精度に見合った桁数で記録し、計算の途中では余分な桁を残しつつ、最終結果を報告する際に測定精度に応じた有効数字に丸めるのが基本的な考え方である。

工学部の卒論と法学部の卒論はどう違いますか?

工学部の卒業研究は実験・シミュレーションのデータを軸にしたIMRAD構成が中心なのに対し、法学部の卒論は判例・学説という文献資料を軸に法解釈を組み立てる点が大きく異なる。

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